最新のインプラント技術 > PRP法(多血小板血漿法)
患者様ご本人の血液を利用する安全な処置です。インプラント処置部位の治癒を促進し、痛みの緩和にも有効です。
血液の働きというと、栄養や酸素を体のすみずみまで運ぶ役割、あるいは細菌などの外敵をやっつける役割などがよく知られていますが、それに加えて、身体の再生や修復にも大きな働きをしています。まさにこの再生・修復の働きを利用しているのがこのPRP法です。
この働きに関して、少し専門的な説明をすると次のようになります。血液中から血小板を凝縮して取り出した血漿のことをPRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)と言います。このPRPは凝固反応する際に組織成長因子を出しますが、この成長因子の働きによって細胞や組織の修復再生が促進され、患部の治癒が促進されるのです。
この治癒促進の効能は、インプラント処置のあらゆるプロセスで有効に働きます。まず、止血作用を伴いながら抜歯後の傷の治癒を早めます。そしてインプラント埋入後は、インプラントと骨との結合を促進し、歯肉の治癒も早めます。特にインプラント処置を施す部分の骨が不足していたり、骨の質が悪いために「骨移植」を施すケースにおいては、このPRPを併用することで質の良い骨の形成を促進します。これによって今まで難しいとされてきた症例にも対応することが可能となりました。
このようにPRP法の採用は、処置の各段階で痛みや腫れを大きく軽減しながら、傷口の治癒や骨の再生・増大に貢献します。そしてその結果として治療期間を短縮することができます。
具体的な処置方法は、次のようになります。
(1) まず腕の静脈から20tの血液を採取します。
(2) それを遠心分離機に30分かけ、通常の5〜6倍になった血小板を取り出します。
(3) 取り出した血小板を自己トロンビンにより活性化(*1)させて、外科処置をした傷の部分に詰めます。
血液採取からPRPの精製まで、あらゆる安全性に配慮し当院内において処置いたしますのでご安心下さい。
(*1)自己トロンビンによる活性化 … 血小板は、普通の状態では小さな“鏡餅”のような形で血液中に存在します。しかしひとたび傷ができたり、細菌の侵入があった時には、“鏡餅”が“コンペイトウ”のような形になり、臨戦態勢をとって(活性化して)その場所に集まってきます。この状況を作り出すのが自己トロンビンによる活性化です。そしてこのような生体の反応を利用して創傷の治癒を促進させようというのがPRP法です。
ちなみにPRP法の効果については、他の医学領域においても多々証明されています。
整形外科領域では、骨折部位を手術して修復する時にこのPRP法を採用することで、骨の接合をかなり早めることが分かっています。ワールドカップ前に骨折したサッカー選手が、かなり早い時期に復帰してワールドカップに間に合った、という話の影にこのPRP法があったそうです。
またこのPRP法は、皮膚科領域・美容外科領域においても大いに注目されています。たとえば美容整形の一つに、顔の皮膚の古い角質層をレーザーで全面焼きとってしまう治療がありますが、顔の皮膚が全部無くなりますので、再生するまでの2週間程度は人前に出られなくなってしまいます。ところが、術後にPRPのスプレーを吹きかけますと、24時間後には、何もしない(PRPスプレーをかけない)時に1週間経過した程度にまで皮膚の修復が進むそうです。さらに、シワが深くなった場所にPRPを注射器で注入して、肌のハリを回復させるアンチエイジング法にも利用されています。
PRP法については、
無痛治療の見地からもやさしく説明しております。